セミナー情報

近年、手技療法は数多くのテクニックが考案され、セミナーも各地で開催されるようになりました。それだけ手技療法の効果や有用性が、広く認識されるようになってきた証といえるでしょう。

しかし一方で、あまりに様々な方法があるので、何をどれだけ学べばよいか迷ったりしていませんか?とくに初めて学ぼうとされている方。そのような時は、基本をきちんと身につけることから始めるとよいでしょう。いくら高度で複雑そうにみえるテクニックも、実際には基本的な操作の組み合わせから成り立っています。なかには迷うことなく興味の赴くまま、あちこちのセミナーに参加されている方もいらっしゃるでしょう。ではせっかく学んだそれらのテクニック、きちんと使いこなせているでしょうか?もし使いこなせていなかったら、一度基本に立ち戻ってみませんか。どれほど様々なテクニックを学んだとしても、基本的な操作に則って異常な部位を見つけ出し、芯を外さない的確な刺激を加えることが出来なければ、効果を挙げることは難しいもの。そのためには基本を習得しておくことが求められます。あるいは手技療法を使っている時、指や腰に痛みを感じている方もおられるでしょう。痛みを抱えた方の治療をしながら、自分自身の身体を傷めていては本末転倒です。クライアントに喜ばれる質の高い仕事をしながら、私たち自身も健康であるためには楽に操作できる技術を身につけておく必要があります。そのためには基本が大切。手技療法の基本とは「触れる」「感じる」「動かす」の3つ。シンプルで当たり前すぎるのでないがしろにされたり、見落とされたりしがちです。しかし、その基本をきちんと行えることがセラピスト自身にとって安全で、クライアントにも効果を挙げるための大切なポイントになります。手技療法の寺子屋では、その基本を身につけるための練習を、各部位へのアプローチを通して徹底的に行っていただきます。このセミナーで身につけることができる、基本に基づくスキルは主に5つ。

 

1.楽に操作するためのポジショニング

2.制限を特定する触診

3.制限が存在する深さと方向を把握する方法

4.制限に対して適切に刺激を加えるスキル

5.制限のリリースを感じ取るためのスキル

 

これらは、どのようなテクニックを習得するにしても必要なスキルとなります。それが身についていれば、新たに学ぶテクニックの習得はより速やかに進むでしょう。反対に身についていないと、何を学んでも十分な効果が得られず、さらには自身の身体にもムリをかけて傷めてしまう可能性もあります。この機会に、手技療法の基本をしっかり身につけておきませんか。関心を持たれた方のご参加をお待ちしています。

各回の内容

 

1回目 頸肩部(肩関節含む)&基本技法の解説

 

2回目 体幹部(胸郭・腰・腹部)

 

3回目 骨盤(股関節から下肢)

 

※2回目以降から単発参加の方には本セミナー前30分の時間をとり「基本の確認」という枠をもうけ基本技法の解説を行います。

 


セミナー詳細&申し込み

※本年は以下3回の開催となります。1回目に基本技法の解説をいたしますので初めての方は1回目からの参加をお勧めいたします。

2回目以降から初めての参加の方のためにセミナー当日30分前より基本技法の解説の時間を設けておりますので、1回目に参加することができなかった方もご心配なく、お申し込みください。


 

3月10日 10時〜18時

頚肩部の機能異常に対する徒手アプローチ

 

セミナー代金

¥20,000

 

※初めて参加の方は9:30より基本動作の確認を行います。必ずご参加ください。

(二回目以降の方は自由参加)

 

 

頚肩部の機能異常に対する徒手アプローチ

 

 

頚部から肩関節は肩甲上腕関節・肩鎖関節・胸鎖関節・肩甲胸郭関節などの複合体によって構成されている。

 

肩関節の異常として、肩関節周囲炎・スポーツ障害・外傷後の拘縮などにより可動域制限や痛みを訴える相談が多くみられ、本セミナーではそれに対応した徒手的なアプローチを紹介する。

 

この部位に対して手技療法を適用する際には、筋筋膜と関節の制限を分けて用いたほうが整理しやすい。軟部組織の制限に対してはその質的評価と、筋筋膜リリースやASTRを用いたアプローチを行う。関節の制限に対しては関節あそび検査を行い、どの方向に関節のすべり運動が損なわれているかを特定し、その方向に対して適切に関節モビライゼーションを実施することによって可動域を回復させ、各関節の運動機能向上を図る技法を紹介する。

 

鎖骨・肩甲骨では胸鎖関節、肩鎖関節の評価も重要だが、臨床的には周囲の軟部組織の制限による影響がより大きいと考えている。そこで本セミナーでは、肩甲胸郭関節を構成する鎖骨、肩甲骨の運動機能を改善するため、周囲の軟部組織に対するアプローチを紹介する。

         

※本セミナーでは実技中心に行うため、解剖学・運動学につきましては、必要に応じ教科書程度の内容で結構ですので、予め復習なさっておいてください。


6月16日 10時〜18時

胸郭・腰部の機能異常に対する徒手アプローチ

 

セミナー代金

手技療法セミナー ¥20,000

 

※初めて参加の方は9:30より基本動作の確認を行います。必ずご参加ください。

(二回目以降の方は自由参加)

 

 

胸郭・腰部の機能異常に対する徒手アプローチ

 

近年では呼吸と姿勢、及び動作の関係を重視したアプローチが注目されています。

 

それらは横隔膜が正常に働き適切な腹腔内圧を保たせるため、胸郭から骨盤にかけての運動機能を評価し、機能障害が存在する部位に対してアプローチして改善が試みられます。

 腰部や骨盤、胸腹壁に存在する機能障害が限局的であったり、強固な制限であった場合、手技療法を用いることで速やかな機能改善が期待できます。しかし手技療法にはさまざまなテクニックがあるので、どの方法を学べばよいか迷うことがあるかもしれません。多種多様な手技療法も、その基本技術は共通しています。

 たとえば指圧・圧迫方・虚血性圧迫・抑制法・アイスキューブテクニック・アキュプレッシャー、これらはすべて「押さえる」操作としてまとめることができ、的確な押さえ方を身につければ、どのテクニックにも活かすことが可能となります。

 反対にいくらテクニックを学んだとしても、押さえる操作が正確に行えなければ、機能障害にアプローチしても期待した効果を得ることは難しいかもしれません。

 

本セミナーでは手技療法の基本技術習得と応用力の育成を目指し、下部胸郭から骨盤に至る軟部組織の限局的な機能異常を触診によって検出し、的確に刺激を加えるための技法を紹介します。

 

※本セミナーでは実技中心に行うため、解剖学・運動学につきましては、必要に応じ教科書程度の内容で結構ですので、予め復習なさっておいてください。


 

10月6日 10時〜18時

 

セミナー代金 ¥20,000

 

※初めて参加の方は9:30より基本動作の確認を行います。必ずご参加ください。

(二回目以降の方は自由参加)

 

骨盤(股関節から下肢)の機能異常に対する徒手アプローチ

 

手技療法を効果的に用いるためには、機能障害が存在する部位に対して的確に刺激を加える必要があります。

 しかし、殿部や大腿部のように組織が強靭で筋肉のボリュームが大きい部位に対して、ムリなく安定して刺激を加え続けることは難しい。そのように感じたことはありませんか。

 とくに緊張が強くなっている部位へしっかりした施術した後は、セラピストも疲労してしまいやすいもの。

 疲労がたまると治療の精度が低下し、さらにセラピスト自身の身体も痛めてしまうことになります。

 本セミナーでは、非常に緊張が強くなった部位に対して施術する場合にも、楽で効果的にアプローチできる方法をご紹介致します。

 

腰下肢痛を訴え画像上で椎間板ヘルニア・分離すべり症・脊柱管狭窄症と診断されていたとしても、腰下肢痛をもたらしているのは軟部組織の機能的な異常によることも少なくありません。

 また、股関節インピンジメントの症状は、股関節周囲の筋緊張によって増悪しますが、局所的な制限を解除しないと改善が難しい場合があり、それには手技療法によるアプローチが有効です。

 そして、重度の変形により人工関節置換術が必要なときも、あらかじめ機能障害を除いておくことにより、術後の経過もよくリハビリもスムーズに進みやすくなります。

 

膝や足部の場合でも同様です。

 

狙った部位に的確な刺激を加える方法を身につけて技術の幅を広げておけば、さまざまな状況に対応することが可能になります。

 

手技療法に関心をお持ちの方、ぜひご参加下さい。

 

※骨盤・下肢の解剖学・運動学につきましては、必要に応じ教科書程度の内容で結構ですので、予め復習なさっておいてください。